
相続不動産、どうする?現代相続人のリアルな声と対策
近年、相続を受ける側の意識も多様化しており、不動産を所有することへの価値観も変化しています。相続を「負担」と感じる人が増えている一方で、不動産を有効活用したいと考える人もいます。
本記事では、現代の相続人が不動産相続についてどのように考えているのか、リサーチ結果を基に詳しく解説します。
相続不動産の現状と課題
日本の相続では、依然として不動産が重要な財産です。しかし、少子高齢化や核家族化の影響で、相続不動産を巡る状況は大きく変化しています。
- 空き家問題:地方を中心に空き家が増加し、管理不全による倒壊や景観悪化が問題となっています。
- 共有名義問題:相続人が複数いる場合、不動産が共有名義となり、売却や活用が困難になるケースがあります。
- 相続登記の義務化:2024年4月から相続登記が義務化され、相続人は不動産取得を知った日から3年以内に登記する必要があります。
これらの課題を踏まえ、相続人は不動産相続に対して様々な考えを持っています。
相続人のリアルな声:負担と活用、二つの視点
リサーチによると、相続人の間では大きく分けて二つの考え方が見られます。
- 負担としての相続
- 特に都市部で顕著ですが、住宅をすでに所有しているため、実家を相続する必要がないと感じる人が多いです。
- 維持管理費や税金の負担を懸念する声も多く聞かれます。
- 地方の不動産の場合、利用価値が低く、売却も困難なため、処分に困るケースもあります。
- 活用したい相続
- 立地や物件によっては、賃貸に出したり、リノベーションして活用したいと考える人もいます。
- 相続した実家を、自身のセカンドハウスや趣味のスペースとして利用するケースもあります。
- 近年では、不動産を相続した後、売却し現金化することを前提に考える人も増えてきています。
相続不動産、どうすればいい?
相続不動産を「負動産」としないためには、具体的な活用方法と対策を検討する必要があります。以下に、状況に応じた活用方法と、専門家への相談について詳しく解説します。
状況別!不動産活用方法
- 戸建て住宅の場合
- 賃貸物件として活用: リフォームやリノベーションを行い、賃貸物件として貸し出すことで、安定した収入を得られます。特に、駅近や生活利便性の高い立地であれば、需要が見込めます。
- 売却: 築年数が古い、立地が悪いなどの理由で活用が難しい場合は、売却を検討しましょう。不動産会社に査定を依頼し、適正な価格で売却することが重要です。
- 空き家バンクの利用: 地方の空き家の場合、空き家バンクに登録することで、移住希望者や地域活性化に貢献したい人に活用してもらえる可能性があります。
- マンションの場合
- 賃貸物件として活用: 戸建て住宅と同様に、賃貸物件として貸し出すことで収入を得られます。マンションは管理が行き届いていることが多く、賃貸需要も安定している傾向があります。
- 売却: 駅近や都市部のマンションは、資産価値が高く、売却しやすい傾向があります。将来的に利用予定がない場合は、売却も選択肢の一つです。
- 土地の場合
- 駐車場やトランクルームとして活用: 立地によっては、駐車場やトランクルームとして貸し出すことで、有効活用できます。初期費用を抑えつつ、安定した収入を得られる可能性があります。
- 賃貸住宅や商業施設用地として活用: 土地の広さや立地によっては、賃貸住宅や商業施設用地として活用することで、高い収益を見込めます。ただし、建築費用や事業計画の検討が必要です。
- 太陽光発電用地として活用: 遊休地や広大な土地は、太陽光発電用地として貸し出すことで、固定収入を得られます。環境に貢献しながら、土地活用が可能です。
専門家への相談
不動産の活用方法は多岐にわたるため、専門家の意見を聞きながら、最適な方法を選択することが重要です。
- 不動産鑑定士: 不動産の適正な価格や活用方法について、専門的なアドバイスを受けられます。
- 不動産コンサルタント: 相続不動産の状況や相続人の意向を踏まえ、最適な活用プランを提案してくれます。
- 行政書士:相続に関する幅広い知識を持つため、最初に相談する専門家としておすすめです。
- 弁護士・税理士・司法書士: 相続税や相続争い、不動産登記 など、専門的な知識が必要な場合には、これらの専門家に相談しましょう。
また、専門家に相談することは重要ですが、総合的な見地からアドバイスをしてくれる専門家を探すようにしましょう。例えば、不動産コンサルタントに相談すれば、売却に重点を置いたアドバイスばかりになったり、税理士に相談すれば、資産価値の減少を意識せずに節税についてのアドバイスばかりになったりするという話もよく聞きます。
総合的な見地からのアドバイスなら、私が神戸支部の所長を務めるiCan全国相続鑑定協会にお任せください。様々な士業が連携し最適な相続対策のご提案をして頂きます。
家族信託の活用
相続不動産の管理や活用に不安がある場合は、家族信託も有効な選択肢です。家族信託では、信頼できる家族に財産管理を託すことで、柔軟な財産管理や承継が可能になります。
まとめ:賢い相続で未来をひらく
不動産相続は、決して他人事ではありません。早めの準備と対策で、賢く相続し、未来をひらきましょう。
行政書士は、相続に関する様々な手続きや相談に対応しています。相続についてお困りの際は、ぜひ行政書士にご相談ください。